5月20日の早朝より、
東白川茶生産組合の組合長様をはじめ、
大勢の方々による新茶の手摘みを行いました。

標高の高い茶畑は、冷気が斜面を下り滞留しないことと
日照時間が長く採れることから、
東白川茶の茶畑としてはよい方なのです。

この高台に位置する茶畑は、
品評会用の茶葉を栽培する東白川村でも好条件の整った茶畑です。

摘む

今回の作業はすべて手摘み。
最高級の品質を想定した「一芯ニ葉」のみを摘み取ります。

「一芯ニ葉」の摘み取る部分。

手早く間違えないように一芯ニ葉を摘み取る作業は熟練が要ります。

先に収穫した茶葉の水分と香りを損なわないためにも
手早く行ないます。

急斜面に作られた茶畑は、山の湾曲に沿ってこのように美しく蛇行しています。

摘み取り作業に大型の機械を使用することは不可能。

摘みたての茶葉は柔らかくて瑞々しく鮮やかで、
東白川茶特有の黄色がかった独特の色。

摘み取った茶葉は小まめに集めて日陰へ運び、
濡れた布を被せて休ませます。

そして、その日のうちに10時間前後かかる「揉み」の作業を行なって「荒茶(あらちゃ)」の状態まで仕上げます。

荒茶とは、葉や茎などを選別する作業を行う直前の状態をいいます。

蒸し

最初の工程で、最も多くの経験と鋭敏な感覚を要求される「蒸し」の作業。ピンと張り詰めた空気の中で行われます。

収穫された茶葉の状態、色や大きさ、硬さ、そして香りを幾度となく確かめ、最も適した温度と蒸し時間を経験と勘によって判断する、仕上がりを大きく左右する最も大切な工程なのです。

蒸し加減を常に確認して微調整を行いながら均一で最良の蒸しを実現します。

蒸しあがった茶葉は素早く荒熱を取って次の工程を待ちます。

粗揉(そじゅう)

温風をかけながら、時間をかけてゆっくりと茶葉の水分を減らす作業。

温度が高すぎても芯と葉の水分が均一にならないため、細心の注意を払います。

温度は体温より少し高め。水分の飛び具合を数分おきに手の感触で確かめながら行う根気のいる作業です。

粗揉が終わると茶葉はしんなりして、柔らかくなります。

揉捻(じゅうねん)

文字通り、茶葉を揉み、そして捻(ねじ)ります。

温かい熱を加えて上から重しのせて行います。

粗揉(そじゅう)に引き続き、葉の部分や茎の部分の水分がさらに均一になるよう、時間をかけて行う工程です。

しかし、ここで厄介なことが起こります。時間をかけて揉捻するため、茶葉の繊維が絡み合ってダマのように丸くなってしまうのです。

これは手作業で丁寧にほぐしてあげるしかありません。

この工程を終えると茶葉の表面に水分が滲み出し、
濡れたような状態になります。